模擬刀身のみの単体製作

刀部では居合刀の拵一式特注製作だけでなく、模擬刀身の単体製作も承っています。
今回は標準刀身、刃渡り2尺2寸での模擬刀身単体のみ製作をご依頼いただいた事例をご紹介します。

刃渡り2尺2寸は居合刀特注製作において大刀としてご指定いただける範囲内では最小のものになります。
刃文は重花丁子。備前長船の一文字派に多く見られる非常に華やかな丁字乱れ刃を模したもので、模擬刀とはいえ見応えがあります

模擬刀では横手筋は刃文の一部の扱いとして模様のように「描かれる」ことが多いですが、本刀では手作業で研ぎ上げ横手の角を立たせています。
棒樋は職人が手彫りで深く彫り込んでおり、軽量化と樋鳴り(振ったときの風切音)の向上が期待できます。
樋先は切先のふくらのかたちに合わせて三角状に整えています(真剣樋)。またハバキ元で止めず、ハバキ下あたりまで棒樋を掻流しにしました。

模擬刀の製作工程では、刀身と柄前を組み上げたのちに柄前の菱目の良いところに刀身ごと穿孔して目釘穴を開けます。
このような都合上、組み上げる柄前が職人の手元に存在しない刀身単体製作では目釘穴を開けずにお届けすることになります。 そのため「拵は自分で用意するから刀身だけ製作して欲しい」という方は、目釘穴を開ける知識や技術、道具など必要です。
尚、茎尻の方に開いた穴はメッキ穴と呼ばれるもので、メッキ業者が刀身にメッキをかける際に引っ掛けるための穴です。

今回の事例ではハバキのご注文はいただきませんでしたが、刀身単体製作では合わせてハバキのご依頼もいただくことが多いです。

刀身だけなら製作自由度は大幅にアップ

拵一式を製作する場合、拵下地や金具との適合の考慮が必要です。
とくに模擬刀では鞘下地が6分反りの規格で製作されることが多いため、ここから大きく外れる反りの刀身は鞘に収まりません。解決策として真剣と同様に鞘師による一点製作をしなければならなくなり費用が跳ね上がります
同様に模擬刀向けに製造される規格物の型ハバキに合わない元幅の刀身をつくろうとすると、白銀師にハバキの製作を依頼する必要が生じます。

ならばいっそのこと、拵一式ではなく刀身だけを製作して飾り観賞して楽しむのはいかがでしょうか。
外装との適合を考慮しなければ製作自由度は大幅にアップしますので特徴的な姿の刀身を製作することができます。 観賞用の模擬刀身でしたらメッキ穴を埋め、良き場所に目釘穴を開けてお届けすることも可能です。
そうしたできた模擬刀身を博物館に展示される御刀のように白布を張って飾るのも面白いのではないでしょうか。

模擬刀身を博物館のように飾る
こだわりの模擬刀身を飾って楽しむ
Tachi Sword - Sukezane(Nikko) 01.jpg
博物館での日本刀展示(日光助真/日光東照宮蔵) Kakidai投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

尚、博物館で見られる白布を張った掛台の整え方は、三重県博物館協会様がブログで公開していますので非常に参考になります。

製作内容詳細

※表示する価格は受注当時のものです

価格
30,000円台
重量
未計測
刀身
標準刀身、約66.7cm(2尺2寸)
刃文
重花丁子
切先
横手研ぎ
刀身彫
棒樋深彫り、真剣樋、掻流し
ハバキ
無し
バランス
手元寄せ

お客様の声

本日、商品を受け取りました。
イメージ通りの素晴らしい出来映えに仕上がっておりました。
ありがとうございました。

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