真剣柄】は、関市の模擬刀職人と真剣職人がコラボレーションした工作で中級者から上級者に向けた本格的な工作です。柄下地を真剣と同じ方法で製作するので柄から模擬刀身を抜くことができ、メンテナンス性が飛躍的に向上しています。日本刀の構造を理解したり取扱いを会得したい方にもおすすめです。

うれしいポイント

  • 鞘師(真剣職人)が手づくりする高精度な柄下地で柄から刀身が抜ける
  • 真剣の外装にも使用される朴木製の柄下地

柄の抜けるメリット

通常の居合刀(模擬刀)は安全性を最優先してがっちりと製作されるため、目釘を抜いても柄から刀身が抜けることはありません。

このような柄でも居合稽古を行う分にはなんら支障はありません。しかし真剣と同様に柄から刀身が抜けるようになると使い勝手が向上したり居合刀を通じて学べることが多くなります。

メンテナンスが楽に

居合刀が劣化していく原因のひとつに汗による酸化があります。 柄巻のなかに染み込み、鍔・縁金・頭金などの金具に付着した汗を取り除かずにそのまま放置してしまうと、柄糸がボロボロになったり金具が変色したりしてしまいます。 このような劣化を抑えるには稽古後に柄巻と鍔を濡らしてかたく絞ったタオルなどで汗を拭き取って陰干しをしましょう。 柄を外すことができればこれらのメンテナンスが非常にしやすくなります。

また、柄巻直しなどの諸工作をご依頼いただく場合には柄だけのやり取りになるため、梱包などの手間がかからず送料を抑えることもできます。

構造の理解

ご自身で柄から刀身を抜いて分解をすることで日本刀の構造を学ぶことができます。また、構造を正しく理解することによって日本刀の適正な取扱い方法を会得することができます。

一例として鍔の交換が挙げられます。
柄から刀身が抜けるからといって安易な鍔の交換は推奨されません。それは鍔を交換することで生じる交換前後の鍔の厚み差によって区から目釘穴までの寸法が変わってしまい、鍔ガタの原因となるからです。 もし構造を理解していれば、鍔を単に交換しただけではガタが生じてしまうと予見でき、同時に適切な加工も必要であると見込むことができます。

取扱いの体得

つくりたての柄はまったくガタがないため、軽くトンと叩いただけで刀身を抜くことはできません。 刀身を柄からうまく抜くには、柄を握る角度や叩く角度、力の入れ具合といった各種のコツが必要となりますが、これらは実際に繰り返し刀身を抜いて会得するしか方法がありません
日本刀(真剣)で取扱いを体得するには少々危険であるうえ、ともすれば高価な御刀に傷をつけてしまいかねませんので、居合刀(模擬刀)の刀身で取扱いの要領を得ておくと不安が少なくなります

真剣柄のできるまで

特撰居合刀の柄下地は、関市の熟練鞘師の手によってつくられます。真剣職人が真剣の柄と同じようにつくることから真剣柄と呼んでいます。 この真剣柄は次のような手順で一本ごとに丁寧につくられます。

  1. 茎の形状に合わせてけがく
  2. けがき線にそって切り出しでアウトラインを彫る
  3. ノミで茎を収める掻き入れを彫り込む
  4. 茎を合わせて具合を確かめる
  5. 3から繰り返して精度を高めてゆく

完成間近の削屑は極薄です。まったく違いのないことを「寸分違わず」などと表現しますが、1寸(約3cm)や1分(約3mm)も違っていては話にならないほど精緻な仕事の世界です。 このような高品質で高精度な職人仕事によって特撰居合刀の柄下地は完成します。

真剣柄のお申込み

真剣柄を含む居合刀は特注製作ご注文フォームよりご依頼いただけます。[柄下地]の項目で真剣柄を選択してお申込みください。

月間で製作可能な数量に限りがございます。製作枠に空きがある場合は専用ご注文ページを作成しご案内をいたします。 もし製作上限に達して枠の空きがない場合は、その旨をメールにてご連絡いたします。

尚、恐れ入りますが真剣柄の月間製作数は非公開とさせていただきます。問合せフォームよりお問合せいただけましたら製作枠の空き状況について回答をさせていただきます。