製作事例
刀部へご依頼いただいた日本刀の拵や居合刀(模擬刀)製作・工作の内容詳細を写真をまじえてご紹介しています。ご検討中のみなさまの参考資料としてご活用ください。(事前に掲載のご承諾をいただいた方のみご紹介しています)
標準刀身の刃渡り2尺4寸5分、柄長8寸5分、鞘を払って809gの居合刀です。標準刀身を使用しており、刃渡りと柄長はともに居合刀(模擬刀)の標準寸法です。鍔も重量94gの標準的な重さで、総じてクセがなく使いやすそうな一振に仕上がっています。ご自身の想いや好みをうまく表現しつつ機能性を両立した実用本位の居合刀です。
大切先刀身の刃渡り2尺4寸>、柄長8寸、鞘を払って960gの居合刀です。熟考を重ねられたご依頼者様好みの一振で居合刀ではありますが実用ではなく観賞してための楽しむ模擬刀です。切先の姿の画像をご提供いただきできるだけ忠実に再現しました。柄下地は真剣柄のため柄から刀身を抜くことができます。
厚口刀身の刃渡り2尺5寸5分、柄長8寸5寸、鞘を払って1,121gの居合刀です。長大な刃渡りに重めの鍔を付け1,110g前後の重量指定をいただき、非常に重厚な一振に仕上がりました。柄巻は正絹糸で諸捻巻。正絹糸は木綿糸と比べると光沢があって品が良く非常におすすめです。黒石目塗の鞘の鯉口には補強金具を付けて鯉口割れの未然防止の工夫がなされました。
平成二九年に岐阜県で登録の御刀です。無銘。刃渡り67.0cm、反り2.0cm。白鞘付き。この御刀に居合道稽古で使用するための拵一式製作のご依頼をいただきました。当初、型鞘でのご相談をいただいておりましたが細身のきれいな御刀をうまく収めることができる型鞘が見つからなかったため一作物の鞘に変更となりました。
刀部では居合刀の拵一式特注製作だけでなく、模擬刀身の単体製作も承っています。標準刀身、刃渡り2尺2寸での模擬刀身単体のみ製作をご依頼いただいた事例をご紹介します。重花丁子の刃文は備前長船の一文字派に多く見られる非常に華やかな丁字乱れ刃を模したもので、模擬刀とはいえ見応えがあります。
昭和五〇年に愛知県で登録の御刀です。無銘。刃渡り66.5cm、反り2.0cm。拵付き。この御刀の柄前新調と既存鞘の修理をご依頼いただきました。
厚口刀身の刃渡り2尺5寸5分、柄長9寸、鞘を払って922gの居合刀。大振りな刀身に重花丁子刃文が映える見どころたっぷりの一振です。本鞘と同じ製作内容で塗り違いの替鞘付きの豪華な拵一式のご依頼をいただきました。
昭和四九年に栃木県で登録の御刀です。萩下家光作。刃渡り64.8cm、反り1cm。白鞘付き。この御刀に着せる拵一式の製作をご依頼いただきました。複数お送りいただいた刀装具を関市の職人とともに検討し居合稽古に用いる肥後拵を製作しました。
厚口刀身の刃渡り2尺4寸、柄長8寸、鞘を払って935gの居合刀。茶石目塗の鞘に鶯の革巻柄でどこか侘びた印象の一振です。鞘の鯉口周りには鮫皮を巻いて補強をしています(鮫皮補強)。鮫皮は研ぎ出さず塗り込めていますのでこの補強工作は外観に影響を与えません。
厚口刀身の刃渡り2尺4寸5分、柄長9寸、鞘を払って1,175gの居合刀です。柄の長さいっぱいに茎(なかご)を収めるため長めの刀身素材に工作を行ってご希望の刃渡りに仕上げつつ通常よりも長い茎長を確保しました。またこの特注刀身を収めるため、柄下地は真剣の本職人が製作を行いました(真剣柄)。
厚口刀身の刃渡り2尺7寸、柄長9寸、鞘を払って954gの居合刀です。長大な刀身と柄長ながら棒樋深彫りや軽量な鍔の選択によって重量1,000g未満に抑えた振りやすそうな一振。全体的に色味を抑えてモノトーンに仕上げた、いかにも硬派な武道用という印象の居合刀です。
標準刀身の刃渡り2尺3寸5分、柄長8寸、鞘を払って846gの居合刀です。紺呂塗の鞘、紺色の柄巻で全体的に蒼くまとめられたなかに栗形周りの腰鮫着が目を引く拵です。武用として堅牢な印象のなかにもどこか品格の漂う見事な一振となりました。