無銘/67cm、拵一式製作(居合作)

東京都M様 日本刀諸工作

平成二九年に岐阜県で登録の御刀です。無銘。刃渡り67.0cm、反り2.0cm。白鞘付き。
この御刀に居合道稽古で使用するための拵一式製作のご依頼をいただきました。 当初、型鞘でのご相談をいただいておりましたが細身のきれいな御刀をうまく収めることができる型鞘が見つからなかったため一作物の鞘に変更となりました。

適合する型鞘が見つからない

型鞘の鯉口寸法は43mmくらいあります。それに対してこの御刀に付くハバキの寸法は30mm程度でした。衣服で例えるならスリムな方がXLサイズを着用するような状態ですから、もともと型鞘にあまり適さない御刀だったといえます。 それでも多くの型鞘に収めては確認し…を繰り返して、2本まで候補が絞られました。

2本のうち1本は御刀に対して大きすぎるため、きれいに収まりはするもののひどい鞘鳴りが生じていました。
もう1本はガタなく収まるものの反りが合っておらず収めたときに棟方に寄ってしまう型鞘でした。あまりにも反りが合っていないため御刀が鞘の内のあちこちで接してガタつかないだけで、良い状態とはいえません(鞘と接する部分がサビやすくなります)。 このような結果から型鞘の使用は難しいという判断となりました。

白鞘を拵の鞘に仕立て直しを検討するも…

型鞘が使用できればもっとも安価に拵一式が製作できるのですが、今回はうまく収まるものが見つかりませんでした。 それではと、鞘にかかる料金を割安にするもう一つの手段である既存の白鞘の鞘を拵の塗鞘に仕立て直す方法を検討してみました。 しかし白鞘には立派な鞘書がされており、仕立て直すには忍びなく、この方法も断念し最終的には定石とおり御刀に合わせた一作鞘を製作させていただきました。

柄は長さ8寸5分、親粒のない二の切の鮫皮を短冊着せ、木綿糸の諸捻巻です。

金具は人気の高い丸形花文透図鍔に宗典図縁頭、ニ疋獅子図目貫ですべて当店が取扱う現代物を使いました。

工作内容詳細

※表示する価格は受注当時のものです

価格
90,000円台
御刀
無銘、67cm
ハバキ
御刀付属品
切羽
型切羽/金仕上げ
T-087-MIR4 鉄地 丸形花文透図鍔
柄下地
新規製作(居合作)
柄長
8寸5分
柄地
鮫皮、短冊着(親粒無し、無着色)
柄巻
木綿/黒、諸捻巻(居合作)
縁頭
K-016-MCP2 銅地 宗典図縁頭
目貫
M-062-MAY2 合金 ニ疋獅子図目貫
鞘下地
新規製作(居合作)
鞘塗
黒石目塗
栗形
位置通常
鞘尻
通常

お客様の声

拵えの出来はよく、非常に満足しております。
刀身も手入れしていただいたように見えます。ありがとうございます。

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