大切先刀身2尺5寸、993g
大切先刀身の刃渡り2尺5寸、柄長8寸5分、鞘を払って993gの居合刀です。
松尾芭蕉の名句「夏草や兵どもが夢の跡」を主題とし、もののあわれや儚さを表現した拵だとご依頼者様から伺っています。
限りある選択肢の中から組合せをご検討のうえ、足りない部分を金具持込というかたちで補っています。
素材となった大切先刀身はその名のとおり大切先に仕上げる肉味の強い刀身で、通常ならば横手まで15センチ程度に仕上がります。
加工の余力があるため、大切先以外の中切先や猪首切先の製作も可能です。本刀は横手まで6センチのご指定をいただきました。
合わせて理想とする切先の写真をご提示いただきできる限りその姿に近くなるよう整えています。
鍔は蛍の飛び交う野に落ちている鐙のさまを描いた木瓜鍔で、主題である句をよく表現しています。
日本刀の柄下地と同工程でおつくりした真剣柄の柄前は刀身を抜くことができ、メンテナンス性に優れます。 柄地は短冊着ながら親粒のついた一の切の鮫皮を使い漆を模した黒仕上げ。上品な艶が印象的な正絹糸で柄巻をします。 持込をいただいた縁頭は当店でも取扱いのある蛍の図柄です。
遠くから一見すると黒呂塗にみえる鞘は篠笛塗です。籐巻のような間隔で黒が塗り分けられており決して派手にならず玄人好みの塗りと言えそうです。 栗形の下には居合刀としては珍しく返角が付きます。
製作内容詳細
※表示する価格は受注当時のものです
- 価格
- 160,000円台
- 重量
- 鞘をはらって993g
- 刀身
- 大切先刀身、約75.8cm (2尺5寸)
- 刃文
- 湾れに互の目
- 切先
- 寸法指定6cm、提示画像を参考に形状を調整
- 刀身彫
- 棒樋深彫り、真剣樋、掻流し
- ハバキ
- 庄内、銀仕上げ
- 切羽
- 金仕上げ
- 鍔
- 持込
- 柄下地
- 真剣柄
- 柄長
- 約25.8cm (8寸5分)
- 柄形
- 標準-
- 鮫皮
- 短冊着(親粒有り、黒仕上げ)
- 柄巻
- 紺色正絹糸 諸捻巻
- 縁頭
- 持込
- 目貫
- M-055-MAY9 鈴虫二双図
- 鞘塗
- 篠笛塗
- 鯉口
- 通常
- 栗形
- 水牛角、上シトドメ/金仕上げ
- 返角
- 有り
- 下緒
- 正絹単色、紺
- 鞘尻
- 通常
お客様の声
製作依頼した居合刀は先日無事に届き、週末に部屋に飾って鑑賞しておりました。
想像以上の出来栄えと美しい仕上がりに感激しております。
切先付近の寸法や形状も、お願いした画像通りに再現されていますし、篠笛塗りの鞘は初めて現物を手にしましたが、黒呂塗りのように見えて非常に手が込んでおり、美しいです。
持ち込みをお願いした鍔は髑髏の代わりに鐙を配した野晒図とのことでした。随分以前から「夏草や~」の句を現した拵を夢想しており、御社ブログの留守模様を参考に、可能な限り自分好みに表現した拵となりました。
抜刀時だけでなく、納刀時も一体感があって大変満足しております。
形状調整等、今回も細かな打ち合わせや製作に応じて頂き誠にありがとうございました。
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