備中国住貞次 32.7センチ、仕上げ直し・柄前製作と鞘修理

備中国住貞次 32.7センチ、仕上げ直し・柄前製作と鞘修理

昭和三五年に石川県で登録の御刀です。備中国住貞次。刃渡り32.7センチ、反り0.8センチ。破損した塗鞘付き。
切先周りを中心に深い錆があり、角鐺の外れるなど一部が破損した塗鞘に白鞘のような白木のままの柄が付くという中途半端な状態の御刀がご家族様のご実家で見つかったそうです。 この御刀の仕上げ直しと外装一式を整えるご依頼をいただきました。

研ぎ直しを行い切先周りにあった深い錆はすっかりとなくなりました。差表のふくれ・差裏のへこみは残りましたができる限りの仕上げ直しで備中物らしい地鉄を見ることができるようになっています。

本刀の登録上は脇差ですが、寸延短刀として短刀拵をおつくりすることにしました。出鮫柄合口拵をご希望いただきそれに見合った柄前一式を新調しています。 金具は一切使わず柄口と柄頭はそれぞれ水牛の角で製作し、できるだけ粒の立派な鮫皮を腹合せに着せました。あまりにも白いと安っぽく見えてしまうためわずかに時代付けをしてもらいました。 目釘も水牛角の角目釘でおつくりしています。 見どころだらけでごちゃついてしまうことを避けるため目貫は付けませんでした。

御刀とともに見つかった塗鞘は角鐺が外れ栗形は虫食いがあり塗りが一部剥がれた状態でした。角鐺は新調し破損箇所は修理して拵の鞘としました。

拵のままでは保管ができないので、白鞘と継木のご依頼もいただきました。後世まで長く遺していただけると嬉しいですね。

工作内容詳細

※表示する価格は受注当時のものです

価格
170,000円台
御刀
備中国住貞次 32.7センチ
研ぎ
錆落とし、仕上げ研ぎ
ハバキ
現状のもの
柄前
出鮫柄合口拵 柄前一式
柄長
4寸程度、姿良く
柄地
鮫皮 腹合着(わずかに時代付け)
縁頭
水牛角で製作
目貫
無し
塗鞘
現状のもの
栗形
虫喰い修正
鞘尻
角鐺製作
白鞘
製作
継木
木はばき付き

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