厚口刀身2尺4寸5分、1,187g
厚口刀身の刃渡り2尺4寸5分、柄長8寸5分、鞘を払って1,187gの居合刀です。
柄の長さいっぱいに茎(なかご)を収めるため、ご希望の刃渡りよりも長い刀身素材に工作を行って刃渡り2尺4寸5分に仕上げつつ通常よりも長い茎長を確保しています。
またこの特注刀身には鍔と柄前が2式付いており、使用時の都合に合わせて付け替えることができます。
刀身から柄を脱着しますので柄下地はどちらも鞘師が手づくりする真剣柄です。鞘も同様に真剣鞘で真剣の拵とほとんど変わらない真剣拵となりました。
模擬刀身にはあとから足して太くしたり長くしたりすることができません。 このたびは通常よりも長い茎のご依頼をいただきましたので、2尺7寸の荒地(刀身素材)を使って区送り(まちおくり)と呼ばれる工作を行いました。 区送りとは、ハバキが付く区(まち)と呼ぶ部位を切先の方に削り込んで刃渡りを短くするものです。この工作の結果、削り込んだ分だけ茎が長くすることができました。
刀身に棒樋は掻かれず茎を伸ばした効果も手伝って、刃渡り2尺4寸5分ながら鞘を払った重量は1,000gをゆうに超える1,187gとなりました。 切先には横手筋を職人が手作業で面立てる横手研ぎを行い真剣と見間違える風格をまといます。
本刀の最大の特徴ともいえる、2式の鍔と柄前。
「こちらの組合せで納品を」とご指示いただいた方を主柄、そうでない方を副柄と勝手に呼んでおります。(ご依頼者様、間違っていたら申し訳ありません)
鍔を付け替えると厚み差によって柄の目釘穴の位置がずれてしまいますので、鍔と柄前はそれぞれ一式として扱います。
主柄は鞘師手づくりの真剣柄で柄長8寸5分、豚表革の黒糸で諸捻巻。鮫皮は腹合着で堅牢さを増しています。漆仕上げを模した鮫皮の黒仕上げが武用の印象をより一層強くしています。 この主柄の鍔にはT-019-MIR4 肥後木瓜図鍔が付きます。
副柄も主柄と同じ真剣柄で柄長8寸5分、腹合着。縁頭・目貫も主柄と同じです。 ただしこちらは白鮫のうえに正絹糸の柄巻です。使われている色合いは主柄と大きく変わりがありませんがこちらの柄からは格調の高い印象を感じます。 正月に床の間に飾るような用途のときにはこちらの柄の方が場に調和しつつ映えそうです。 この副柄の鍔にはT-039-NIR9 菊唐草図鍔が付きます。
鞘も鞘師手づくりの真剣鞘です。鯉口と鞘尻には石目地の金具が付きます。真剣鞘の場合、栗形は標準で水牛の角製になります。 本漆の粉をつかって石目塗にした乾漆塗は、石目地のようにざらざらとした手触りではなくもう少しきめ細やかなさらさらとした手触りです。
製作内容詳細
※表示する価格は受注当時のものです
- 価格
- 320,000円台
- 重量
- 鞘をはらって1,187g(主柄)
- 刀身
- 厚口刀身荒地2尺7寸、刃渡り2尺4寸5分仕立て(茎長延長)
- 刃文
- 大乱れ
- 切先
- 横手研ぎ
- 刀身彫
- 樋無し
- ハバキ
- 黒イブシ
- 切羽
- 黒イブシ
主柄と鍔
- 鍔
- T-019-MIR4 肥後木瓜図鍔
- 柄下地
- 真剣柄
- 柄長
- 約25.8cm (8寸5分)
- 柄形
- 標準-
- 鮫皮
- 腹合着、黒仕上げ
- 柄巻
- 諸捻巻、豚表革、黒
- 縁頭
- K-006-MBR2 石目図
- 目貫
- M-037-MAY2 竹虎図
副柄と鍔
- 鍔
- T-039-NIR9 菊唐草図鍔
- 柄下地
- 真剣柄
- 柄長
- 約25.8cm (8寸5分)
- 柄形
- 標準
- 鮫皮
- 腹合着、白(無着色)
- 柄巻
- 諸捻巻、正絹、黒
- 縁頭
- K-006-MBR2 石目図
- 目貫
- M-037-MAY2 竹虎図
- 鞘下地
- 真剣鞘
- 鞘塗
- 乾漆塗[漆石目塗]
- 鯉口
- G-028-3BR2 土方石目図 銀イブシ
- 栗形
- 水牛角
- 下緒
- 無し
- 鞘尻
- C-006-MBR2 石目図
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