趣の異なる観賞用模擬刀の略太刀拵3種
2023年も春爛漫。花粉症のつらい時期でもありますが動物は冬眠から目覚め植物が一斉に芽吹く姿は未来への明るい期待を感じさせます。そして春といえば大型連休ゴールデンウィークを心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。複数の祝日が連なるゴールデンウィークに含まれるこどもの日は端午の節句が祝日となったもので、もとは武家の跡継ぎとなる男児の成長を祈り、ひいては一族の繁栄を願う重要な行事でした。
そんなこどもの日に勇ましい太刀拵を飾って祝ってみてはいかがでしょうか。
太刀拵は華美な装飾がひときわ目を惹く日本刀で非常に人気があります。しかし必要な部品点数が多いうえ手間も掛かることから高額になりがちでご注文をいただいてもお届けまでに長期間を要してしまいます。刀部では趣向の異なる3種の太刀拵をおつくりしました。いずれも完成即納品です。しかも太刀掛台付きですのでお届け後にすぐに飾っていただくことができます。
価格を抑えるため本来の太刀拵からいくつかの部品や工作を減らした略式の太刀拵です。とはいえ非常に良い出来ですので十分にご満足がいただけるものと考えています。
金梨地塗鞘略太刀拵
1腰目は金梨地塗鞘略太刀拵(きんなしじぬりさやりゃくたちこしらえ)です。
果物の梨の肌のようにつぶつぶとした模様を金色で施した鞘に、光沢のある薄茶色の正絹糸で柄巻と渡巻をしています。全身が金色で纏われたように美しい太刀拵です。この組合せは多くの太刀拵にも見受けられる定番の色使いで「これぞ太刀拵」と膝を打つ方もいるかも知れません。
金具はすべて筋彫で唐草文が表現された揃いの太刀金具です。金色に仕上げられ一層の豪華さを演出しています。柄巻で巻き込む目貫のみ天晴な図案の扇に日の丸図を入れました。
黒呂塗鞘略太刀拵
2腰目は黒呂塗鞘略太刀拵(くろろぬりさやりゃくたちこしらえ)です。
柄巻や鞘だけでなく金具などの外装すべてに黒い漆をかけたものはとくに黒漆太刀と呼ばれ武家で多く用いられました。その黒漆太刀のように華美でないがけして地味ではない美観の再現を狙ったのが本刀です。不必要な突出はせずとも必要な主張はする威厳あふれる観賞用模擬刀をお求めの方にとくにおすすめです。
1腰目と同様に筋彫唐草文の総金具を黒色に仕上げ渋さを引き立てます。目貫は大形で力強い鉾に龍軍配兜図を入れています。
朱呂塗鞘略太刀拵
3腰目は朱呂塗鞘略太刀拵(しゅろぬりさやりゃくたちこしらえ)です。
朱は塗りたてのときはくすんだ暗い色調ですが時間経過とともに明るく変化することから武家においては代々伝える武具などに多く用いられました。本刀は現代塗料のためそうした変化は生じませんが色にさえも一族繁栄の想いや祈りを込めた思想をならってみました。柄巻・渡巻は牛革糸で行い、重厚でおめでたい太刀拵に仕上がっています。
金色の筋彫唐草文総金具、柄巻と渡巻の下に着せられた鮫皮は暗朱仕上げ。目貫は長寿の象徴として広く知られる金色の海老図で慶賀を表す太刀拵です。
すべて掛台付き
どの太刀拵もすべて掛台をお付けしますのでお届け後にすぐに飾って楽しんでいただけます。
同梱する掛台は刀を横に掛ける一般的なものではなく縦に掛ける太刀用のものです。握り手である柄の先端を掛台の台座の窪みに入れ、山なりに反った刀身をあずけるようにして受口に掛けます。この掛台は台座の大きさがA4用紙にすっぽり収まる程度ですので、広い場所をとらずに飾ることができます。
すべて1点のみの限定品として掘出物コーナーで販売をしています。早い物勝ちですのでもしお気に召していただけましたらお早めにお求めください。
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