石堂輝秀作 68.2センチ、拵一式製作(標準作)
平成九年に大阪府で登録の御刀です。石堂輝秀作。刃渡り68.2センチ、反り1.8センチ。白鞘付き。
カンナの名工でもある石堂輝秀刀匠の御刀をお預かりし拵一式の製作と白鞘の修理をご依頼いただきました。
当初より鞘塗について「艶のある鮮やかな赤(もしくは朱)」とご指定をいただき塗師と打合せて明度の高い仕上がりになるよう心がけました。
もともと鷲図鍔のご希望をいただいていましたが寸法が非常に大きく通常の拵では不釣り合いになることをご説明し、木に鳳凰図の目貫をご指定いただいていたことから「鉄地 桐に鳳凰図鍔」を代替としてご提案しご依頼をいただきました。
縁頭・鐺金具には土方石目図の揃いをご指定いただきました。御刀に比して大きめな金具であるため、どっしりとした印象の拵になっています。 重厚な拵の鞘から抜いてみればすっきりとした細身の御刀が出てくる対比が面白いです。 鮫皮の親粒の付いた部位(一の切)を短冊着にして正絹糸で諸撮巻にしています。鮫皮は時代仕上げをして経年の雰囲気を演出しました。
鞘は朱呂塗です。鮮やかな色味をご希望いただいていたため塗師に明度の高い朱になるようお願いをしました。 もともと良い朱は経年によって黒っぽいものがだんだん鮮やかになっていくことから先祖代々大切に伝わる品が多いといいます。縁起の良い吉祥文様に数えられる鳳凰の図柄と相まって非常にお目出たい拵になりました。
お預かりをした白鞘の簡易的な修理も行いました。白鞘の表裏の貼り合わせ面から斜めに逸れて割れが生じていたため、白鞘を割らずに接着し外側を仕上げ直しています。 これによっていくつかあったへこみや汚れも改善し見栄えのする白鞘になりました。写真では分かりにくいですが仕上げ直しで虎目が浮いて良い雰囲気となりました。
工作内容詳細
※表示する価格は受注当時のものです
- 価格
- 210,000円台
- 御刀
- 石堂輝秀作 68.2センチ
- ハバキ
- 現状のもの
- 切羽
- 型切羽 金仕上げ
- 鍔
- 鉄地 桐に鳳凰図鍔
- 柄下地
- 製作(標準作)
- 柄長
- 7寸8分程度
- 柄地
- 鮫皮 短冊着(親粒付き、時代色揚げ)
- 柄巻
- 黒色正絹糸 諸撮巻(標準作)
- 縁頭
- K-028-MBR3 真鍮地 土方石目図
- 目貫
- M-046-NBR9 真鍮地 木に鳳凰図
- 鞘下地
- 製作(標準作)
- 鞘塗
- 朱呂塗(鮮やかな朱)
- 鯉口
- 水牛角
- 栗形
- 水牛角
- 鞘尻
- C-028-MBR3 真鍮地 土方石目図
- 白鞘
- 現状修理
- 継木
- 木はばき付き
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