厚口刀身2尺7寸、1038g

厚口刀身2尺7寸、1038g

厚口刀身の刃渡り2尺7寸、柄長1尺、鞘を払って1,038gの居合刀です。
刃渡り・柄長ともに製作上限の大身ながら、淡い色合いの鞘とひときわ目を引く鮮やかな柄巻の対比が美しい雄大な拵です。冬と春を思わせる図柄の金具でまとめられ、まるで晩冬から早春への移り変わり表現したような風流な一振になっています。

やわらかな印象の色使いの拵ですが、身幅広く重ねの厚い厚口刀身で刃渡りは製作上限の2尺7寸です。 重たくなることを見越して棒樋を深彫りし長大な刀身ながら1,040gに満たない重量減に成功をしています。 本刀は1,020gの重量指定をいただきましたが許容範囲いっぱい(希望重量を中央値として前後20g)での完成となりました。工房での重量減の苦心が窺えます。

鍔は梅鉢透図をご選択。梅は言わずと知れた春を代表する草花の一つです。 現代では春の花といえば桜という方が多いかも知れませんが、奈良時代の頃には梅が圧倒的な人気だったそうです。

目貫も鍔と同じ梅の図柄ですが、縁頭には水仙図を選択されました。水仙は別名を雪中花といい俳句では冬の季語とされています。 冬から春に移りゆくさまを表現したような図柄の組合せの柄ですが、鮮やかな藤色の柄巻で春の印象を強くします。 柄長も刃渡りと同様に製作上限の1尺。鮫皮は短冊着せながら親粒が付き高い品格を感じます。

木目・木肌を模様としてそのまま活かす透塗鞘。本刀は少々黄色味が強く仕上がりました。 やわらかな印象の塗りに合わせるように萌木のような淡い黄緑色の下緒が映えます。 大身の刀身を呑み込む鯉口には補強金具を付けて破損のリスクを軽減します。 美観と機能性を両立する玄人好みの一振に仕上がりました。

製作内容詳細

※表示する価格は受注当時のものです

価格
110,000円台
重量
鞘をはらって1,038g
刀身
厚口刀身、約81.8cm (2尺7寸)
刃文
広直刃
切先
通常
刀身彫
棒樋深彫り
ハバキ
庄内、金仕上げ
切羽
金仕上げ
T-063-MIR4 梅鉢透図鍔
柄長
約30.3cm (1尺)
柄形
標準
鮫皮
短冊着、親粒有り、白(無着色)
柄巻
諸捻巻、牛革裏、藤
縁頭
K-010-MBR3 水仙図
目貫
M-002-MBR3 梅図
鞘塗
透塗
鯉口
補強金具
栗形
通常
下緒
正絹単色、うぐいす
鞘尻
通常
バランス
手元寄せ
希望重量
1020g前後

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