筑後住国光作 74.2センチ、拵一式製作(標準作)

平成19年に福岡県で登録の御刀です。筑後住国光作。刃渡り74.2センチ、反り1.6センチ。拵付き。
全剣連居合を学ぶ方から、傷んだ拵の一式新調をご依頼いただきました。全体的に派手さはなく質素なもので質実剛健を旨としたご希望をいただき、そのご希望に添ったご提案を差し上げた結果、図らずも機能美に溢れた美しい拵に仕上がりました。
- 筑後住国光作 74.2センチ、拵一式製作
- 拵全体
鍔なぞ掛けてあれば良いと言わんばかりの無文鍔。透かしが無い分だけ重量感があります。丸形ではなく縦に長い長方形のため御刀を置いた時に安定しやすいのも隠れたポイントです。
- 鉄地 竪丸形無地鍔。130g程度の重さがあります。
柄長は8寸5分程度。刃渡りを基準に逆算して算出した寸法をご提案しました。柄下地全体に鮫皮をぐるりと一周包む腹合せに着せたうえから黒い本漆を掛けて補強をしています。鈍く光る鮫皮の粒と目貫の質感がよく似ており、良い意味で目貫の存在感を抑制することに一役買っています。目貫は握持感の邪魔にならないものを、とご希望をいただき、凹凸がなく平たい梵字図を選定しました。柄巻は対摩耗性に富み、緩みにくく、手に馴染むものを求められ正絹糸で諸捻巻にしました。
- 柄前全体
- 鮫皮の粒と目貫が黒く鈍く光ります
- 巻留周り
- 石目図頭金
- 柄巻前の柄下地
- 柄前表裏
鞘の腰には鮫皮を着せて研ぎ出しました。鮫皮を棟方から刃方へ長く切り上げる斜切上げ(はすきりあげ)仕上げです。鮫着鞘の場合、地の塗りは鮫皮の研出のように光沢が伴う呂塗り(特に黒呂塗)にすることが多いですが、本刀は実用本位ということで細かな傷が目立ちにくい石目塗にしています。
- 塗鞘全体
- 鯉口周り
- 腰に斜切上げに着せた鮫皮
- 地は黒石目塗
- 鞘尻周り
工作内容詳細
※表示する価格は受注当時のものです
- 価格
- 260,000円台
- 御刀
- 刀 筑後住国光作 74.2センチ
- はばき
- 現状のもの
- 切羽
- 型切羽 銀仕上げ
- 鍔
- T-092-MIR4 鉄地 竪丸形無地鍔
- 柄下地
- 新作(標準作)
- 柄長
- 8寸5分程度(約25.8センチ)
- 柄地
- 鮫皮 腹合着(黒漆掛け)
- 柄巻
- 黒色正絹糸 諸捻巻(標準作)
- 縁頭
- K-006-MBR2 真鍮地 石目図縁頭
- 目貫
- M-042-MBR3 真鍮地 梵字図目貫
- 鞘下地
- 新作(造り鞘/標準作)
- 鞘塗
- 腰鮫着斜切上げ黒石目塗鞘
- 鯉口
- 水牛角
- 栗形
- 水牛角
- 鞘尻
- 水牛角
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