無銘 71.5センチ、拵一式製作(標準作)
平成6年に東京都で登録の御刀です。無銘。刃渡り71.5センチ、反り1.85センチ。白鞘入り。
居合道の型稽古専用としてお使いになる御刀に歌仙拵を想わせる拵を着せるご相談をいただきました。厳密な拵の写しではなく歌仙拵風として無理のない範囲での製作をお求めいただきました。
影蝶図鍔は現代物でも取扱いがありますが、より良い品質とするため鉄地であらたにおつくりしました。拵に掛けた状態では確認できませんが切羽台には蝶の目も開けています。
柄前は長さ8寸。肥後形の二重山路図の縁頭に豌豆図目貫を入れています。豆は魔を滅するという音に通じることから破邪の意があると聞きます。 柄地には鮫皮を腹合せに着せたのちに黒漆を掛けて補強と美観の向上をはかっています。鮫皮の粒の谷をくすませ頭を艷やかにした古式仕上げです。 できるだけ歌仙拵本歌の雰囲気に近くなるよう赤みの強い茶色の革糸で片摘巻にしました。
非常に特徴的な鮫着せの鞘。鞘全体を鮫皮で包んで研出しつつ腰より少し広い範囲に刻みを入れました。鞘全体を一枚で包めるほど大きな鮫皮が手に入らなかったためできるだけ粒の調子の似た二枚を継いでもらいました。 刻みの谷になった部分で継いでいますがそれがどこか分かるでしょうか。様々な諸条件を考慮し、返角と裏瓦は除いています。
歌仙拵とは
全体の長さは88センチメートル。17世紀の作品とされる。腰刻黒漆研出鮫打刀拵(こしきざみくろうるしとぎだしさめのうちがたな)であり、細川忠興が自ら考案し「歌仙拵」とも呼ばれている。鞘は鮫皮(ほとんどはエイの皮が用いられる)を黒漆塗して研ぎだすと、鮫皮の凹部に黒漆が残って凸部が白く浮き上がり星を散らした模様のようになっており、拵の中央近くまで印籠が刻まれている。また、この歌仙拵が後に肥後熊本藩のお国拵である「肥後拵」の手本となった。
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工作内容詳細
※表示する価格は受注当時のものです
- 価格
- 410,000円台
- 御刀
- 無銘 71.5センチ
- はばき
- 現状のもの
- 切羽
- 型切羽 金仕上げ
- 鍔
- 新作 鉄地 影蝶透図鍔写し
- 柄下地
- 新作(標準作)
- 柄長
- 8寸
- 柄地
- 鮫皮 腹合着(黒漆掛け)
- 柄巻
- 茶色牛裏革糸 片摘巻
- 縁頭
- K-045-MBR3 真鍮地 二重山路図
- 目貫
- M-034-MAY1 合金 豌豆図
- 鞘下地
- 新作(標準作)
- 鞘塗
- 腰印籠刻研出鮫着鞘
- 鯉口
- 水牛角
- 栗形
- 水牛角、上シトドメ(金仕上げ)
- 下緒
- 薄茶色正絹糸竜甲組無文下緒
- 鞘尻
- C-045-MBR3 真鍮地 本肥後図
- 継木
- 木はばき付き
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