国俊 刃渡り68.9センチ、拵一式製作(居合作)
昭和四捨八年に岐阜県で登録の御刀です。国俊。刃渡り68.9センチ、反り1.2センチ。拵付き。
破損してしまった鞘の新調のため拵一式をお預かりしたところ、鞘よりも柄前の方が劣化が進んでいる状態でした。
これをお伝えしたところ、せっかくだからこの機会に悪いところをすべて改善したいということで拵一式新調のご依頼をいただきました。
費用を抑えるため刀装具はすべて古い拵から外してつかっています。
もともとついていたはばきは大きさが合っておらず御刀に対して大振りでした。大きなはばきだと鞘口の肉が薄くなり割れやすくなってしまいます。 そのためはばきを刃方から削って幅が小さくなるよう調整をし色揚げをし直しました。鍔はもともと掛けられていたもので、古刀匠鍔の有名な笠に雨透しを模した現代物と見受けます。
柄前は実用の御刀とは思えないほどのガタつきがあり柄巻も一部が緩んでいる状態だったため、縁頭・目貫はそのまま流用するかたちで新調をしました。 銅地で無文のシンプルで奥深い縁金に、縁金よりも小さな角頭です。角頭にはシトドメ穴があったため掛け巻ではなく柄糸を穴に通して巻き止めています。
このたびのご依頼のきっかけとなった鞘の新調には2つの工夫を凝らしました。 1つは鞘の肉をなるべく多く残せるようにはばきを小さめに調整をしたことで、もう1つは鯉口が安易に割れてしまわないように鞘の腰に籐を巻いて補強しました。 通常の籐巻では、籐と塗りの表面の高さを揃えるために籐を巻く範囲の鞘下地を少し彫り下げます。 しかし本刀では堅牢性を第一にした工作のため、鞘下地を下げずそのまま籐を巻きました。 この籐は自然の植物を素材にしたもののため、色味には個体差があります。ただ今回の籐はあまりにも白く安っぽく映ったため職人さんに少し色を付けてもらいました。
工作内容詳細
※表示する価格は受注当時のものです
- 価格
- 120,000円台
- 御刀
- 国俊 68.9センチ
- ハバキ
- 現状のもの 各部修正のうえ色揚げ直し
- 切羽
- 現状のもの
- 鍔
- 現状のもの
- 柄下地
- 製作(居合作)
- 柄長
- 26.5センチ程度
- 柄地
- 鮫皮 短冊着(親粒無し、白)
- 柄巻
- 黒色木綿糸 諸捻巻(居合作)
- 縁頭
- 現状のもの
- 目貫
- 現状のもの
- 鞘下地
- 造り鞘(居合作)
- 鞘塗
- 黒石目塗腰籐巻鞘
- 鯉口
- 水牛角
- 栗形
- 水牛角
- 鞘尻
- 水牛角
お客様の声
本日日本刀を受け取りました。
鞘柄とも想像以上の出来栄えで大変喜んでおります。
これで居合道にもさらにしょうじんしようと思います。
重ねて御礼申し上げます。
またお願いすこともあろうかと思います。
その時は宜しくお願い致します。
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