正宗 七四.七センチ、拵一式製作(標準作)
令和四年に福岡県で登録の御刀です。正宗。刃渡り七四.七センチ、反り二.一センチ。白鞘付き。
「黒で統一したいと思っています。」この一言のみのご相談から本刀の拵製作のお打合せは始まりました。
今後長くお楽しみをいただける縁起の良い拵にしたいと考え、不老長寿の象徴とされる海老を籠ですくってその力の手に入れる一振にまとめてみました。
表裏ともに金粉銘が入れられます。表には正宗、裏には本阿(花押)。象嵌銘のように茎に銘が切られておらず金粉を混ぜた漆で描かれただけの銘であるため、取扱いは慎重に慎重を重ねました。 切羽は型切羽だと拵の形状に合わず見栄えを損ねる懸念があったため、御刀合わせであらたに製作をしました。銅地切羽に金鍍金仕上げをしています。 新たにおつくりをした切羽ですがすでに経年の風合いがあります。鍍金をした職人が時代付けをしてくれたのかも知れません。 海老をすくう籠図の鍔は現代物ですが、刃方・棟方に責金をして茎を痛めないよう保護しています。
柄に付く金物は不老長寿を象徴する海老で揃えました。縁頭・目貫ともに黒地に金の差し色が映えています。 柄巻は黒色の正絹糸で諸摘巻。 鮫皮を腹合せに着せ黒く仕上げました。この鮫皮にも少し時代付けをしてみました。粒と粒の間がくすんで経年の良い雰囲気になったと考えています。
黒呂塗の鞘はこの拵のなかで最もご依頼者様にお気に召していただくことができました。 現代塗料での塗りですが、キリッと立てられた角や鏡面のように磨かれた塗肌には多くの皆さまからご好評をいただいています。
拵と合わせて木はばき付きのツナギのご依頼もいただきました。
工作内容詳細
※表示する価格は受注当時のものです
- 価格
- 200,000円台
- 御刀
- 正宗 七四.七センチ
- ハバキ
- 御刀付属品
- 切羽
- 銅地金鍍金切羽
- 鍔
- T-083-MIR4 鉄地 籠目透図鍔
- 柄下地
- 製作(標準作)
- 柄長
- 8寸5分程度(約25.8cm)
- 柄地
- 鮫皮 腹合着、黒色時代仕上げ
- 柄巻
- 黒色正絹糸摘み巻(標準作)
- 縁頭
- K-020-MBR3 真鍮地 海老図縁頭
- 目貫
- M-021-MBR3 真鍮地 海老図目貫
- 鞘下地
- 製作(標準作)
- 鞘塗
- 黒呂塗
- 栗形
- 上シトドメ(金仕上げ)付き
- 下緒
- 黒色正絹糸竜甲組下緒
お客様の声
本日、愛刀「政宗」と作品の「拵え」を無事に受け取りました。
完成品を拝見して、イメージしていたものより素晴らしい出来に感動しました。
特に鞘塗の素晴らしさに感動しました。
ただ、刀身から鍔及び切羽を外す時に少々キツイ感があり、鍔も小ぶりだなと思いました。
拵えに「つなぎ」を入れ替えるため、鍔、切羽を通すのに苦労しました。
下げ緒もイメージしていた正絹より柔らかく木綿みたいな感じを受けました。
しかしながら、鮫皮の出来、鞘の塗等、大変素晴らしいです。
納期も予定より大変早く驚きました。この度は誠に有難うございました。
次回も依頼したいと思っておりますので、宜しくお願い致します。
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