無銘/73.9cm、日本刀諸工作(標準作)
平成23年に兵庫県で登録の御刀です。無銘。刃渡り73.9cm、反り2.9cm。拵付き。
稽古に十分使用できる程度の拵付きで購入された御刀ですが、ご依頼者様の好みに合うよう鍔交換、柄巻直し、鞘塗直しのご依頼をいただきました。
本刀をお預かりしてまず驚いたのがハバキです。ハバキのかたちに合わせて足りない高さ分だけ底上げされており、ハバキと同じ横の鑢目が掛けられて目立たない仕上げがなされていました。
白銀師いわく「ハバキを作り直すほどの費用が掛けられず工夫したのではないか」とのことでした。こういう方法もあるんだと勉強になりました。
鍔はこれまで掛けられていたものよりも0.3mm程度薄い鉄鍔に交換をしました。茎の保護も兼ねて刃方・棟方に責金をしてきっちりと固定しています。鍔交換によって生じた厚み差は1枚のみ厚切羽に交換して相殺しています。
柄下地や金具はそのまま柄巻直しを行いました。とはいえ柄下地の状態があまり良くなかったので柄巻師が姿の手直しをしています。 また打たれていた目釘があまり効いておらず見栄えも良くなかったため、煤竹の目釘に作り直してくれました。 もともと牛の裏革で巻かれていましたが豚の表革での巻直しです。標準作の柄巻は少々値が貼りますが品質は間違いがありません。
もともと黒に近い非常に暗い焦茶の石目塗だった鞘の腰に鮫皮を着せて研ぎ出し、全体を黒呂塗に塗り直しました。 腰鮫着を行うにあたって元の栗形だと少々具合が悪かったので栗形も作り直しをさせていただきました。
工作内容詳細
※表示する価格は受注当時のものです
- 価格
- 120,000円台
- 御刀
- 無銘/73.9cm
- ハバキ
- 御刀付属品
- 切羽
- 型切羽 金仕上げに交換
- 鍔
- 持込品に責金
- 柄巻
- 巻直し、黒色豚表革で諸捻巻(標準作)
- 縁頭
- 現状のもの
- 目貫
- 現状のもの
- 鞘塗
- 腰鮫着(斜切仕上げ)、黒呂塗に塗り直し
- 栗形
- 製作し直し
- 下緒
- 鉄紺色正絹竜甲組下緒に交換
お客様の声
刀、無事に受けとりました!
今回も何もかもが完璧で大変素晴らしい工作で感動致しました。ありがとうございます。
お願いして良かったです。
目釘も雰囲気良いですね!!職人さんにもお礼申し上げます。
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