無銘71.0cm、拵一式製作(居合作)

1102無銘71.0cm、拵一式製作(居合作)

昭和51年に福島県で登録の御刀です。無銘。刃渡り71.0cm、反り1cm。白鞘付き
居合に使用するには少し重いとのことで後樋を入れました。柄は新調して豚革巻にし、鞘は白鞘を塗鞘に仕立て直しています。 新たに樋を彫ること(後樋)によって反りが変わったり内包する傷が表面化することがあり、そのリスクについて非常に悩まれていましたが最終的にご決断されご依頼をいただきました。

新たに棒樋を彫って軽量化

本刀をお預かりをした当初は、裸身で重量は780gでした。これに後樋を入れることで662gとなり118gの軽量化に成功しました。 反りが変わることはありませんでしたが、差表の切先から20cmほどの位置に小さな傷が表面化しています。しかしまったく無傷の御刀ではなかったことから「さほど気にする程でもなく(ご依頼者様)」、使いやすくなりました。

白鞘を塗鞘に仕立て直し

鞘はもともと型鞘のご希望をいただいており、本刀を収めることができる型鞘も見つかっていました。 しかし鞘鳴りが目立つ程度であったことから白鞘の鞘を仕立て直して塗鞘にしました。 鞘師は、「自分のつくった白鞘を塗鞘にすることは何ともないが他人のつくった白鞘を触るのは怖い」といいます。 白鞘の掻入れを彫るにあたってどの位置にどの程度の肉が残っているか、自分の作ならば大体覚えているが他人作のものは分からないため下地を破いてしまう怖さがあるそうです。 この鞘も差裏の鞘尻まわりに白鞘の色が残っており、加工を躊躇したあとが窺えました。

鍔は夜叉と武者図をご選択。縁頭・目貫と合わせて武に関わる図柄に揃えられました。この鍔は切羽台が小さく表方の切羽が夜叉の高彫りに干渉してしまうため虫喰いにして逃しました。

柄は長さ8寸5分。金具は武者図縁頭袖と薙刀図目貫です。柄地(鮫皮)を黒仕上げにし、豚表革・黒で諸捻巻にしています。 全体的に黒くまとめられいかにも武用といった無骨な印象です。

鞘塗は武用に適した黒石目塗。居合刀(模擬刀)の黒石目塗や本黒石目塗ともわずかに異なる表情です。白鞘から塗鞘に仕立て直したので鯉口・栗形・鞘尻は一作鞘と同じように水牛の角のものが付きます

工作内容詳細

※表示する価格は受注当時のものです

価格
130,000円台
御刀
無銘、71.0cm
刀身彫
新たに棒樋、掻流し
ハバキ
御刀付属品(変形手直し)
切羽
型切羽、金仕上げ
T-032-MIR3 鉄地 夜叉と武者図鍔
柄下地
製作(居合作)
柄長
8寸5分程度
柄地
鮫皮、短冊着、黒仕上げ
柄巻
豚表革・黒、諸捻巻(居合作)
縁頭
K-036-MCP0 銅地 武者図縁頭
目貫
M-030-MAY2 合金 袖と薙刀図目貫
鞘下地
白鞘を仕立て直し
鞘塗
黒石目塗
栗形
通常
鞘尻
通常

お客様の声

ありがとうございます。刀届きました。
思った以上の出来に満足しております。
刀ギズもさほど気にする程でもなく
柄巻も鞘も綺麗に仕上がっていて、とても満足しております。
元々の刀身はバランスが悪くなかったということも感じれる仕上がりで
出来上がりにとても満足しております。
ますます居合の練習に熱がいれられそうです。
ありがとうございました。

それと思うより早目の到着はサプライズプレゼントを
もらったようで、とても嬉しいです。ありがとうございます。

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