刀部の居合練習刀

刀部の居合練習刀は、これから居合道を始める入門者や学び始めて間もない初心者に向けた居合稽古用の模擬刀
自分専用の居合刀を入手したくてもなにを基準に選べば良いか分からない方のための、はじめの一振に最適な居合刀です。

居合刀の扱いやすさを左右する7つの項目に、愛着を感じ稽古継続する意欲をかき立てるための外観に関する4つの項目を加えた全11項目を指定することができます。体格や好みなどの個性に合わせて選択するだけで、ご自身に適した居合刀を入手することができます。

指定可能な11項目

  1. 刀身規格(全体の重量感)
  2. 刃渡り(扱いやすさ)
  3. (風切り音と重量の軽減)
  4. (重量と重心の微調整)
  5. 柄の長さ(扱いやすさ)
  6. 柄地(外観の印象)
  7. 柄糸(外観の印象)
  8. 縁頭(外観の印象)
  9. 目貫(扱いやすさと外観の印象)
  10. 鞘塗(扱いやすさと外観の印象)
  11. 下緒(扱いやすさ)

こだわりの製作材料

刀身

砂型鋳造亜鉛合金製

内部に含まれる空気の含有量が少ないため安全性が高くなる砂型鋳造製の刀身を使用しています。この鋳造方法では亜鉛合金のアルミ含有率が高くすることができるため、軽量に仕上げることができる長所もあります。

鉄製、ステンレス製

鉄製14点、ステンレス製4点の全18点をご用意。居合刀の重心を崩しにくい100g前後の鍔を中心に、軽めから重めのものまで揃えていますのでお求めの重量感に見合った選択がいただけます。

拵下地

朴木製

柄と鞘の下地は、水分や摩耗に強い特性を持つ朴木(ホウボク)を使用しています。日本刀(真剣)や特注居合刀の外装にも使用される刀剣の拵下地に適した木材です。

柄地

鮫皮

廉価な模擬刀の柄地にはプラスチック製が多く使用されますが、刀部の居合練習刀ではむかしながらの鮫皮(エイの皮)を使用して柄巻のズレを抑止します。

柄糸

木綿製

木綿糸で織られた組紐です。木綿は肌触りにクセがないうえ、汗をかいても滑りやすくなることが少ないため入門用に最適です。

下緒

木綿製

木綿糸で織られた組紐です。使い始めはハリがあって硬い印象ですが稽古を重ねるごとに柔らかくなります。豊富な色揃えから選ぶことができるのも楽しみのひとつです。

くわしく知る

刀身規格
とうしんきかく

居合練習刀の刀身は、身幅(刀身の幅)や重ね(刀身の厚み)に一定の寸法規格があります。この寸法規格を刀身規格と呼びます。同じ刃渡りでも刀身規格によって重量に差が生じますので、居合刀全体の重量感を大きく決定づける非常に重要な要素です。

()内は鍔の重量を100gと仮定した目安値です

  • 標準刀身(製作重量720~820g
  • 軽量刀身(製作重量720~770g
  • 厚口刀身(製作重量850~1010g

標準刀身と厚口刀身では、軽量化と風切り音の向上を目的とした樋の深彫りを有償の追加工作として指定することができます。
また厚口刀身のみ刃渡り2尺6寸までの長尺に対応しています。

刃渡り
はわたり

刃渡りは切先から刃区(はまち)と呼ばれる箇所までの直線距離を指します。切先から鍔までの長さからハバキの高さだけ差し引いた寸法とほぼ同じです。
所作の見栄えや扱いやすさに直結しますので、使用者の身体の一部を基準にして刃渡りを算出すると間違いが少なくなります。ただしどのような状態を適正とするかは学ぶ流派によって違いがありますので、師範や先輩にアドバイスを求めるのが最良です。もしくは両腕を水平に広げた長さを測定し刀部へお問合せをいただけましたら、最適と考える刃渡りをご提案いたします。

  • 標準刀身(製作寸法2尺2寸~2尺4寸5分
  • 軽量刀身(製作寸法2尺2寸~2尺4寸5分
  • 厚口刀身(製作寸法2尺2寸~2尺6寸

刃渡りが短いほど軽い居合刀となり、長いほど重い居合刀に仕上がります。


樋とは刀身に彫られた浅い溝を指します。棒樋(ぼうひ)とも呼ばれます。
居合刀の重量を軽減し、振った際の風切り音が出やすくなる作用に加えて刃筋方向に掛かる負荷を和らげる効果があるとされています。

標準刀身と厚口刀身では、さらなる軽量化と風切り音の向上を目的とした棒樋の深彫りを有償の追加工作として指定することもできます。

  • 棒樋(すべての居合練習刀に施されます
  • 棒樋深彫り(さらに深く彫り込んで機能を向上させます


つば

鍔は重量と重心を微調整する働きがあります。軽めの居合刀をお求めなら90g以下の鍔、重めの居合刀をお求めなら120g以上の鍔を選択すると、重心を崩すことなくご希望の重量感に見合った居合刀に仕上がりやすくなります。

  1. 巴梅鉢図(鉄製 / 97g
  2. 影蝶図(鉄製 / 65g
  3. 笹図透鐔(ステンレス製 / 95g
  4. 車輪に菊図透鐔(ステンレス製 / 97g
  5. 海鼠図透鐔(ステンレス製 / 101g
  6. 肥後木瓜図(鉄製 / 135g
  7. 梅図(ステンレス製 / 112g
  8. 半蔵図(鉄製 / 105g
  9. 梅鉢図透鐔(鉄製 / 128g
  10. 雨龍図透鐔(鉄製 / 116g
  11. 四葉文四方猪目透鐔(鉄製 / 100g
  12. 松皮菱文透鐔(鉄製 / 95g
  13. 丸形花文透鐔(鉄製 / 65g
  14. 木瓜形花文透鐔(鉄製 / 76g
  15. 平田海鼠図透鐔(鉄製 / 97g
  16. 入木瓜形無地鍔(鉄製 / 120g
  17. 平田菊図透鐔(鉄製 / 100g
  18. 型丸形無地鍔(鉄製 / 131g

柄の長さ
つかのながさ

居合練習刀の握り手部分を柄(つか)といい、その長さを柄長(つかちょう)と呼びます。柄の長さとはこの柄長のことを指します。

  • 柄の長さ(製作寸法7寸5分~9寸

柄の長さは、7寸5分から9寸まで5分刻みでご選択いただけます。

柄地
つかぢ

柄地とは柄の下地(木製部分)に貼る滑り止めを指します。鮫皮と呼ばれるエイの皮を用いることが一般的です。居合練習刀では短冊状に切られた鮫皮を柄の表裏に貼り付けて柄糸の滑りを防止します。

鮫皮そのものの色である白(無着色)か、漆で補強した風合いを再現した黒仕上げのいずれかを選択いただけます。

  1. 白(無着色)
  2. 黒仕上げ

柄糸
つかいと

柄糸とは柄の下地を巻き締めて握りやすくする組紐を指します。またこの柄糸で柄の下地を巻き締めて組み上げることを柄巻といいます。柄巻にはさまざまな方法がありますが、居合練習刀はもっとも一般的な諸捻巻(もろひねりまき)となります。

下緒と同色にするとまとまりのある外観になりやすいです。
尚、古来、白は権力者のみに許される色とされてきました。そのため初心者のうちは白は避けたほうが無難です。

  1. 鉄紺
  2. 金茶
  3. 小豆

縁頭
ふちかしら

縁頭とは柄の両端に付く金具を指します。そのうち鍔側に付く金具を縁金(ふちがね)といい、その逆側に付く金具を頭金(かしらがね)といいます。縁金と頭金で一対になることが多いため、この2点を一式で縁頭と呼びます。

柄の始点と終点に付く金具であることから、柄の太さ・厚さや形状の基本を決定づける重要な役割があります。ただし居合練習刀で選択可能な縁頭はクセが少なく一般的な寸法のものを厳選していますので、どちらを選択いただいても仕上がりにほとんど差異は生じません。

  1. 梅図(縁金40mm / 頭金37.5mm
  2. 網代図(縁金39.5mm / 頭金37mm

目貫
めぬき

目貫とは柄糸と柄地の間に挟む金具です。装飾性を高め、柄を握った手を滑りにくくする役割があるとされます。

しかし現在では柄を握った手(指)に目貫が当たって痛みを感じるという声が多くの居合家から寄せられており、滑り止めの効果を過大に期待することは難しいです。どちらかといえば慣れないうちは手(指)に干渉しづらい小ぶりなものがおすすめです。

  1. 山椒図(縦13.5mm、横39mm、高さ4.5mm
  2. 蜂図(縦15mm、横34.5mm、高さ4.5mm
  3. 菊牡丹図(縦15mm、横43.5mm、高さ2.5mm
  4. 金剛杵図(縦12.5mm、横40mm、高さ3mm
  5. 馬二双図(縦12.5mm、横38mm、高さ4.5mm
  6. 真向い兎図(縦12mm、横36mm、高さ3mm
  7. 二疋獅子図(縦17.5mm、横34.5mm、高さ5mm
  8. 這竜図(縦16.5mm、横39mm、高さ4.5mm
  9. 蝶三双図(縦15mm、横39mm、高さ3.5mm

鞘塗
さやぬり

鞘塗とは、鞘(刀身を収める木製の筒)の表面に多種多様な方法で施される塗りを指します。鞘は居合刀の外装のうち多くの表面積を占めますので外観の印象を大きく左右します。

黒呂塗は表面が滑らかなため、汗を吸った帯に張り付いて扱いづらくなる場合があります。そのため多汗を自覚される方には黒石目塗か茶石目塗がおすすめです。

  1. 黒呂塗
  2. 黒石目塗
  3. 茶石目塗

下緒
さげお

下緒とは腰に差した刀が抜け落ちないよう帯に絡めて固定する組紐を指します。

柄糸と同色にするとまとまりのある外観になりやすいです。
尚、古来、白は権力者のみに許される色とされてきました。そのため初心者のうちは白は避けたほうが無難です。

  1. 鉄紺
  2. 金茶
  3. 小豆

居合練習刀の一部が破損してしまった場合、修理はできますか。

可能です。
居合練習刀は特注居合刀と同様に、刀身交換から柄巻直しまで各種修理に幅広く対応いたしますので安心して稽古にご使用いただけます。

用意された選択肢以外の指定をすることはできますか。

選択肢以外の工作指定には対応をしておりません。
居合練習刀は、自分の型がまだ定まっていない居合道の入門者に向けて開発されました。そのためまずは限られた範囲で構成された居合練習刀で稽古を重ねてみてください。
経験によって裏付けされたご自身の好みを実現をするには、特注居合刀が適しています。

刀についてくわしくないため11項目をすべて自分で決めることができません。

決定しているご希望のみお聞かせください。その内容をもとに、その他の項目のご提案をさせていただきます。