無銘 70.4センチ、柄前一式その他製作(標準作)

無銘 70.4センチ、柄前一式その他製作

平成28年に埼玉県で登録の御刀です。無銘。刃渡り70.4センチ、反り1.3センチ。白鞘入り、拵付き。
日刀保の鑑定から返ってきた御刀をお預りし、武用の柄前一式新調に合わせて切羽と鍔も新たにおつくりさせていただきました。立派な総鮫着鞘はお客様お手持ちのものです。

新たにおつくりしたのは柄長7寸5分・鹿燻べ革糸巻の柄前です。当店で委託販売をしていた縁頭をつかい、蟻腰形の縁金にはシボ革を着せ黒漆でかためました。この革の厚みにより鞘口と同程度の寸法に仕上がりました。 ご依頼内容の随所から歌仙拵狙いのご希望を感じたため、できるだけ本歌に近くなる鹿燻べ革を職人にお願いしました。まだ色が若いですが、稽古を重ねるうちに本歌のような深い色味に変化してゆくと考えています。

武用の柄前ということで、革巻ながら巻留をできるだけ低くして握りの支障になりづらい配慮がなされています。こうした細やかな心遣いはさすが高位の職人の仕事といったところです。 柄地の鮫皮は腹合せに着せ黒漆を掛けて古色仕上げ。粒の頭だけが艷やかで品が良いです。

新調した柄前とお預り品の塗鞘に合わせて切羽も新たにおつくりしました。写真左の刃方の広がったものが縁金方、写真右の刃方の尖ったものが鞘口方の切羽です。縁金・鞘口からそれぞれ切羽の厚み分だけぴったりと喰み出し気持ちのよい仕上がりです。

縁金・鞘口は約43ミリ程度の寸法で通常より大きめです。この寸法に切羽台を合わせた影蝶透鍔も刀部で新たにご用意しました。鍔そのものは小振りがお好みということで縦横75ミリでおつくりしています。

工作内容詳細

※表示する価格は受注当時のものです

価格
330,000円台
御刀
無銘 70.4センチ
はばき
現状のもの
切羽
新作 銅地本切羽(素銅色揚げ1ミリ厚)
新作 鉄地 影蝶透鍔(約75ミリ径、錆付仕上げ)
柄下地
新作(標準作)
柄長
7寸5分
柄地
鮫皮 腹合着(黒漆古色仕上げ)
柄巻
鹿燻べ革糸 片摘巻(標準作)
縁頭
山銅地山路図縁金 [4-07](縁金はシボ革貼りに漆掛け)
目貫
持込品
塗鞘
現状のもの

日本刀諸工作のご相談はこちらから