1290神奈川県M様 日本刀諸工作

神奈川県M様 日本刀諸工作(割れて放置されていた白鞘の修理)

無銘/67.7センチ 白鞘修理

無銘/67.7センチ 白鞘修理

令和四年に神奈川県で再交付の御刀です。無銘。刃渡り67.7センチ、反り1.3センチ。白鞘付き。
亡くなったご家族が残された御刀です。この大刀のほか、脇差も1口お預かりしました。 どちらも白鞘が割れた状態で放置されてしまっていたため、せめて普通の状態に戻して後に残していきたいとご相談をいただきました。

恐らく登録証を輪ゴムで留めていたのでしょう、夏の暑さで溶けたと思われるゴムが鞘に張り付き染み込んでいました。 完成から比較的早期に割れたように見受けられ、下地の乾燥が足りなかったのか割れて反り返っただけでなく表裏ともに捻じれが生じていました

また通常は白鞘が備えている「刃道」と呼ばれる構造が見当たりませんでした。 鞘の表裏を正しく等分につくってしまうと、合わせ目に刃先が当たったときに楔を打つように作用してしまい割れてしまう危険性があります。 これを防ぐため、刀の癖に合わせて表裏どちらかにわずかに寄せて掻き入れをし刃先を面で受けるようにします。 この構造を刃道といいますが、これがないことが早期に割れてしまった要因の一つではないかと職人は推測します。

鞘の掻き入れをきれいにし、合わせ目にカンナをかけて再度貼り合わせを行いました。 反り返っただけの鞘ならば容易な作業ですが、捻じれていたためうまくカンナをかけることができず手こずったと職人が漏らしていました。 反りや捻じれが強く弱い接着力ではまた割れてしまう懸念があったため、現代の接着剤をつかって貼り合わせています。

表面についたゴムを丁寧に除去して仕上げ直しをしました。 当初よりも白鞘の鎬筋がたってキリッと締まった印象になりました。

工作内容詳細

※表示する価格は受注当時のものです

価格
10,000円台
御刀(大刀)
無銘 67.7センチ
ハバキ
現状のもの
白鞘
柄・鞘ともに修理
御刀(脇差)
二王清春 56.3センチ
ハバキ
現状のもの
白鞘
鞘のみ修理

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4件のコメント

  1. 稲谷覚

    初めましてこんにちは。刀の白鞘が開いてきたので、修理して頂きたいです。後、輪ゴムで留めてましたので跡がついております。宜しくお願いします。

  2. コメントありがとうございます。
    恐れ入りますが、工作のご依頼やご相談は日本刀諸工作のご相談フォームよりお寄せくださいますようお願いいたします。

  3. 瀧田實

    メールで失礼いたします。
    拵えに入っている刀(68.7㎝)の白鞘製作をお願いできますでしょうか。
    もし可能ならば、繋ぎ作成共の料金と納期をお知らせいただければ幸いです。
    よろしくお願いいたします。

  4. コメントありがとうございます。
    恐れ入りますが、工作のご依頼やご相談は日本刀諸工作のご相談フォームよりお寄せくださいますようお願いいたします。

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